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つるつる物語 [ソバ本]

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  今日も、秋の実りです  色づきがままならない、ぶどうがなっていました
     昨日の台風9号の嵐しで、みんな落ちてしまったかしら....
   いつも買出しに利用するヨークマートと隣接する六浦地区センターの境に植わるブドウです
    一緒に、ムベ(郁子)やテイカカズラ(定家葛)も這いまわっています
   決して、おいしそうには見えません チョット一粒、摘まむ気にもなりませんが...
   でも、食べられる実がなる木は... ワクワクします やはり理想は、梨の“幸水”でしょうか....
   もう半世紀以上も前、実家の小さな庭に育つ秋のザクロを見て....
      「どうして、うちのザクロは実にならないの....」   親父の答え「ヤエだから...」



     付録は、金沢図書館で借りてきた「つるつる物語」です
          キット、そば切り は、京都が発祥 なんですネ

  

  先々週、紹介した「そばもん・完結編」  “そば切り” 発祥がテーマでした
   発祥の謎を解く資料が「日本麺類誕生記 つるつる物語」であるということを知り
   早速、地元の横浜金沢図書館で、本を借りてきました(本は、戸塚図書館の所属です)
   著者の伊藤 汎 氏は、「寺方蕎麦 長浦 向島本店」の二代目店主で本業は蕎麦屋さん

   お店の名物は『妙興寺そば』 (以下「足立区全店制覇....」ブログさんから借用)
    「茹で上げた蕎麦を冷水で洗い、白鬚大根と和えて椀に盛り、いり胡麻、海苔を蕎麦の上に散らします
    汁は、庫裏納豆、あるいは寺納豆ともいわれた食材を調味し、禅味の代表的な蕎麦といえるでしょう」
   
      なかなか、多彩なお店・店主のようですが.... 残念、現在は、閉店しているそうです


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 「まえがき」から抜粋してみますと....
    麺類誕生の秘密を探る 
    江戸期以前の文献に現れた世界は、現在の麺や常識がまったく通じない奇妙な世界
     麺といえば、小麦粉のこと
     餅といえば、もち米から作る餅でなく、小麦粉と米粉を交ぜて作っている
     粉というのは、くず米のことである
     麺の言葉はそのまま使えず「麺で麺を作る」というおかしな表現となる
    それゆえに、この本では “麺” にかわる “つるつる” という言葉を必要とした
    資料は、江戸時代初期のものから室町、鎌倉、平安時代の文献(日記)
    江戸時代以降に書かれた、料理書や麺類の解説書では、何もわからなかった
    現在では、当然、小麦粉で作られているはずの “つるつる” が、歴史をさかのぼっていくと
    いつの間にか、米粉に変わっている
    “つるつる” ばかりか、あらゆる小麦粉食品が米粉食品に変化している
    (感想 : 旧い表記の専門の言葉が、たくさん使われており、なかなか読みにくい本でした)


      【目 次】
       1. 粒食と粉食
       2. “つるつる” の先祖を訪ねて
       3. 異質文化がひき起こす混乱
       4. 粉食のあけぼの
       5. “つるつる” で開花した粉食文化
       6. 相国寺に開花する“つるつる”文化
         1. 手打ちそば誕生
         2. “つるつる” と点心
         3. “つるつる” と斎膳
         4. “つるつる” と酒
         5. “つるつる” の製造
       7. 禅林から広まる “つるつる”
         1. 「山科家礼記」にみる “つるつる”
         2. 「多聞院日記」にみる “つるつる”
         3. 幕府が禁じた “つるつる” の商い
       (「そば」に関係ある項目と思い、6.7.は細目を記載しました)

        資料 1. 「蔭凉軒日録」にあらわれた “つるつる”
        資料 2. 「山科家礼記」にあらわれた “つるつる”
        資料 3. 「鹿苑日録」にあらわれた “つるつる”
        資料 4.  “つるつる” の系統年表



【資料 4. “つるつる” の系統年表】   --- 室町時代は、1338〜1537年 ---
  1400年頃から、包丁切の麺として “あわ切” “きび切” と一緒に “そば切” の線が引かれ始めています
   ( “そば切り” の始まりは、室町時代、しかも、信州でなく京都ではないかと推測されています)
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          日本麺類誕生記 つるつる物語
           伊藤 汎 著  
            「寺方蕎麦 長浦 向島本店」の二代目店主(現在、閉店)
           ISBN 4-8067-6725-5
           1987年7月20日 2刷発行
           築地書館株式会社 発行
           1,944 円(税込み)
           2016年8月14日 横浜金沢図書館にて借入



  2022.03.15 追記
    この記事 “そば切り発祥を探る” の最後に...
     そば切り誕生の場所や年代はわかっていないが、現在の初見より少なくとも一世紀は
     さかのぼることができると考えられ、その発祥は十五世紀、遅くても十六世紀初頭には
     出現していたのではなかろうか。  と書かれております。
     ただ、次のページでは  わたしの仮説では、蕎麦切りは信濃で誕生したと考える。





 今日は、もう一冊そば本を... ムック本ですが....
     気分爽快、風味絶佳の “そばの旅”
     「男の隠れ家別冊 涼味を手繰るそばの店 2016夏」

  まだ、新そばの季節には早いのですが、雑誌「男の隠れ家」は、別冊で夏そば特集です
      (実は、この本が書店の棚に並んだのは、5月末の頃ですが...)
   前回「男の隠れ家・そば特集」を紹介したのは、もう5年前のこととなります
      (実は、「2014年9月号」は、 スンマセン! チェックし損ないました)
      一時のそばブームは、すっかり落着いてしまった感があります

    今号も、四人の “そば喰い名人?” と編集部?が....
     この夏、食べに行きたい蕎麦屋さんを、それぞれ2件ずつをリストアップしています
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  『おしながき』
    Part.1 絶対に一度は訪れたい 涼景そばの店 
       10軒紹介されています                 紹介文
      ・ 山形県 上山市  「想耕庵」           編集部?が担当
      ・ 山形県 白鷹町  「熊屋」            編集部?が担当
      ・ 茨城県 大子町  「月待の滝 もみじ苑」       秋川 ゆか氏 が執筆
      ・ 茨城県 常陸太田市「慈久庵 色蕎茶遊荘」       秋川 ゆか氏 が執筆
      ・ 長野県 池田町  「安曇野 翁」           浅川 俊文 氏 担当
      ・ 長野県 木曽町  「ZCOBO 時香忘」        浅川 俊文 氏 担当
      ・ 静岡県 裾野市  「蕎仙坊」            阿部 文枝 氏 担当
      ・ 神奈川県 箱根町 「竹やぶ 箱根店」        阿部 文枝 氏 担当
      ・ 石川県 金沢市  「卯蕎」             太野 祺郎 氏 担当
      ・ 石川県 白山市  「草庵」             太野 祺郎 氏 担当

     ◯ まだ夏の旅は続く 日本蕎麦紀行
       北海道 4軒・山形 3軒・茨城 3軒・信州 3軒・北陸 3軒 の計16軒を紹介
        この中には訪ねたことがある、茨城守谷の「鬼怒川 竹やぶ」が載っています

    Part.2 進化し続ける東京のそば TOKYO SOBA
      ニューウェーブの店として、8軒  江戸蕎麦の老舗として、4軒 紹介
     由庵 矢もり・文化人・ら すとらあだ・もりいろ・蕎麦シカモア・山介・根津雙柿庵・晩酌や 月
     老舗として、 かんだやぶそば・砂場総本家・布恒更科・江戸蕎麦手打處 あさだ
       (根津雙柿庵は、静かな多摩西部・日の出町から2年前に進出してきました)

    Part.3 今も思い出す郷愁の味 忘れがたき ふるさとのそば
     郷土そばのうち 大内宿×高遠そば 飯山×富倉そば 奥久慈×けんちんそば の3カ所を紹介

     ◯ 果てしなく広がるそばの世界 列島縦断!郷土そばの店
       北海道から長崎まで、日本をくまなく縦断して、さらに25カ所の郷土そばを紹介




※ Part.1では、四人の“そばライター”が紹介文を書かれています、そのなか二人、阿部氏・太野氏は前回も...
  秋川ゆか 氏は、きっとブログ「つれづれ蕎麦」をアップしている人ではないかと... “そば本” も出しています
  浅川 俊文 氏は.... ???



  前回?(2011年11月号)のレポーターの四氏は、こちらです
   太野 祺郎 氏  云わずとしれたTGそばの会のそば喰い名人 蕎麦関係著書多数
   鎌 富志治 氏  「こだわり蕎麦屋の始め方」etc.の著書がある ブログ「蕎麦の散歩道」の管理人
   西岡 幸史 氏  枚方市の蕎麦屋「天笑(テンショウ)」のご主人 関西の自家製粉/手打ちそばの先駆者
          関西の蕎麦屋さんを紹介しています(自分には、初認識の方です)
   阿部 文枝 氏  旧「男の隠れ家」では、そばライター 時々、「ダンチュウ」でも見かけています
           楽しんでいたWeb.の「ほろ酔い蕎麦屋めぐり」が2009年11月以降、停まったままです




          男の隠れ家別冊 「涼味を手繰るそばの店 2016夏」
           ISBN 978-4-7796-2908-2
           2016年7月14日 発行
           株式会社三栄書房 発行
           880 円(税込み)
           2016年8月7日 購入






       サァ、みなさん、この夏 どんなおいしい蕎麦を食べていますか?
        自分は、毎年通っている、駒ヶ根で、今年は川向こうの蕎麦屋さんを訪ねるつもりでおります




                 本日も“トボトボ進行”にご訪問ありがとうございます


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